この土日は、話題のお山になってしまった立山に行っていました。
前日までの荒天から雪の状態は不安定だろうと思い、
朝8時に自宅を出発して富山側から入山。
扇沢から比べて立山からの入山は乗替え1回のみで楽。
朝っぱらから立山地ビールで一杯やります。
この時点で初日の滑りのことは殆ど考えていません。
後からしてみれば正解です……
美女平でバスに乗替え、景色を楽しみながら進みます。
立山の真っ白な山々が見え始め、期待に胸を躍らせていると弟が
「あれ、破断面じゃない?」と
指差す方向を見ると、真砂岳の斜面に雪崩の跡が、
「相当でかいな、サイズ3ぐらいか?」
巻き込まれた人がいないといいけどな〜と考えてるうちにバスは室堂ターミナルに到着。
荷物を受取、テント泊者向けのインフォメーションに向かうと
「大走りで雪崩が発生して5人が行方不明です。気をつけてください。」と係の一言。
最初から重い気分になります。
身支度を済ませたらスプリットにシールを付けテント場を目指します。
向かう途中に見えてきた破断面は相当大きく2m近くあるように見えました。
末端は谷の中かと思っていたら、
弟が「末端は、あの人がいるところまで来てるんじゃない?」
「まさか、そんな所まで……」
よく見ると、本当に屈曲した部分で曲がって、その先まで到達しています。
「あの大きさだと、500m以上、サイズ3だぞ」
「巻き込まれた人は、相当厳しいな〜」
色々なことを考えながら雷鳥沢のテント場まで来ました。
アルペンルート最終の土日とあって混雑しています。
雷鳥荘下の斜面もまるでゲレンデのようです。
手早くテントを設営して、
立山は携帯が問題なく使えるので情報収集をします。
twitterをチェックするとNHKのニュースがありました。
「7人が巻き込まれ、5人が搬送されたが心肺停止の状態。」
予想した最悪の結果になっていました。
県警のヘリが頻繁に飛んできます。
この結果を聞いて
雷鳥沢の尾根を登って滑ってくる安全第一で行動することにしました。
しばらく尾根を登っていると、上からスノーボーダーが雷鳥沢の中を滑ってきました。
過去に雪崩での死亡事故もあるし、すぐ近くで雪崩が起きているのに危ないなと思い見ていました。
丁度、自分達と同じぐらいの所まで滑って来た、その時です。
沢壁の雪がゆっくりと動き出しました。
「あっ!」と言葉が出て一瞬動けなくなりました。
そして、滑っていたボーダーのことを思いだし、彼の行方を追わなければと身を乗り出しました。
雪崩はボーダーの横ギリギリをかすめ、速度を増し雪煙を上げながら落ちて行きました。
無事を確認して安堵しました。
本当にギリギリのところでした。
すると、またボーダーが雪崩れた所の真上を滑って来るじゃないですか……
近くにいた人達で大声で危険を知らせますが
彼は破断面の上に立ち止まり、雪崩れた所へ滑り込みます。
そして、更に連れらしきもう一人が滑り降りてくるのを破断面の直ぐ下で座り込んで待ちます。
この二人に大声で危険を知らせますが反応しません。
どうやら外国人のようで言っていることが理解できないようです。
二人は無事に下まで降りましたが、正気の沙汰とは思えません。
明らかに素人の行動でした。
誰も滑っていない真っ新な斜面は非常に美しく、
そこを滑る快感も知っています。
でも、果たして命をかけてまで滑る価値が本当にあるのか
良く考えてほしいものです。
私達はリスクを冒す必要はないと判断して
ギタギタになった斜面を滑ることにしました。
斜度もあまり無いし、無数のトラックも入ってますが
快晴の下での初滑りは十分に楽しいものでした。
無事テントまで戻ってくると雄山がアーベンロートに染まっていました。
生きていれば、こんな美しい光景が見れるのに……
夜はもう一つの目的である星景撮影です。
標高2,300mの雷鳥沢キャンプ場、空気の澄んだ快晴の冬の空
星がキレイじゃないわけがありません。
満天の星空です。
本当は話題のアイソン彗星も見れたらと考えてましたが
深夜1時頃からガスが出てきてしまいダメでした。
翌日は朝からガスで真っ白だったのと
前日のことがあるので滑らずにテントを撤収したら直ぐに
みくりが池温泉に入ってビールを飲んで下山しました。
最後は某氏の名字と同じ名前のお店でお昼を食べて〆
無事に帰ってこそだと実感した立山でした。
因に写真はボディE-M1
星はM.ZUIKO 12mmで
後は14-54mmと50-200mmで撮影。
14-54mmは意外と良く写ってびっくり。
久しぶりに山に本格的なカメラ持って行ったけど
E-M1小さくて助かります。
0 件のコメント:
コメントを投稿